HARUMI FLAGに学ぶ|街全体エネルギーマネジメントの秘密
街全体でエネルギーを一元管理。最先端の技術が集結しています
約18ヘクタール(東京ドーム3.7個分)の広大な土地に、住居や商業施設、公園、教育施設などが設備された「HARUMI FLAG」。HARUMI FLAGには、街全体でエネルギーを一元管理するシステムや、水素エネルギーの積極的な活用など、最先端の技術が集結しています。
今回は、HARUMI FLAGにおけるエネルギーマネジメント方法や設備をご紹介します。
目次
街全体でエネルギーを効率良くマネジメント
HARUMI FLAGでは、街全体でエネルギーを効率的に利用できるような仕組みを取り入れています。エリアネットワークを介して各街区のエネルギー情報を集約。以下の3つを導入し、環境負荷低減への意識づけの促進や最適供給による省エネルギー化を実現しています。
- AEMS(エリアエネルギーマネジメントシステム):街全体のエネルギーを一元管理するシステム
- MEMS(マンションエネルギーマネジメントシステム):街区レベルでエネルギー管理するシステム
- HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム):家庭のエネルギー管理をするシステム
ここでは、HARUMI FLAGのエネルギー効率について、詳しくご紹介します。
街のエネルギーを一元管理
各街区のMEMSとHARUMI AI-AEMSを、街全体をつなぐエリアネットワークを介して連携させています。データを総合管理するだけでなく、街全体の取り組みを見える化し、街区ごとの使用傾向の分析を可能にしています。得られたエネルギー使用量といったデータは、タウンポータルやデジタルサイネージなどを通じて情報提供することにより、住民の方がエネルギー使用の現状を把握し改善することをサポートします。
需要予測
気象情報や電力使用実績・傾向、地域のイベント情報などをAIが分析し、電力需要を予測します。AIは自己学習型のため、運用実績データが蓄積されるほど成長し、街の発展とともに予測精度は向上していきます。
最適供給・運転計画・ピーク抑制自動立案
HARUMI AI-AEMSでは電力需要予測に基づき、電力使用量のピークを予測し、蓄電池や純水素型燃料電池(PEFC)の運転計画を立案します。AI-AEMSによるエネルギーの有効利用は、環境負荷低減とコスト削減を実現し、持続可能な社会と経済的な暮らしを可能にします。
水素エネルギーの導入で一歩先の未来へ
HARUMI FLAGでは、水素ステーションからパイプラインを介して水素がマンションや商業施設などに供給されるようになっています。エネルギーとしての水素の有用性には、以下の4つが挙げられます。
- 発電効率が高い
- 環境負荷低減
- 貯蓄性が高い
- 生産性が高い
ここでは、HARUMI FLAGにおける水素エネルギーの活用方法をご紹介します。
街区供給
水素パイプラインを通じて供給された水素により発電が可能です。災害時には、純水素型燃料電池をはじめ、蓄電池や非常用発電機が共用部特定設備に電源を供給し、ライフラインを守ります。
燃料電池バス・燃料電池自動車への水素供給
東京BRT(バス高速輸送システム)では、燃料電池バスを導入。水素ステーションでは、BRTの車両はもちろん、一般の燃料電池自動車(FCV)にも水素を供給します。
全ての街区に純水素型燃料電池(PEFC)を設置
純水素型燃料電池(PEFC)により、水素を直接取り込み発電が可能です。全街区にはもちろん、住宅共用部や商業施設など合計5ヶ所にPEFCを設置。街区ごとの電力ピークに合わせ、フレキシブルに活用します。
エネファームで電気とお湯を同時に作れる
「エネファーム」は、都市ガスから取り出した水素を利用して発電する家庭用燃料電池のことです。自宅で電気とお湯を同時に作ることができ、エネルギーを無駄なく使える環境にも優しいシステムとなっています。エネファームの利用により、CO2排出量は年間で約1.0トン削減可能。また、以下のような効果が期待できます。
- 光熱費:年間約23%削減
- エネルギー利用効率:約95%
エネファームにはエネルギー使用状況を学習する機能があるため、最も省エネな運転パターンを導き出すこともできます。タンクには、約130リットルの水を確保可能。万が一の停電時でも、エネファームが運転していれば熱と電力を供給できます。エネファームが停止している場合、設備している蓄電池により、再起動が可能。冷蔵庫、Wi-Fiなどの通信機器、照明などへ電気を供給できるため、災害時も安心です。
エネファームだから高い電気自給率を達成できる
エネファームで発電した余剰分は、蓄電池に充電し、電力ピーク時に活用可能。エネファームだからこそ、高い電気自給率を達成できるのです。HARUMI FLAGには他にも、電気自給率を向上させる設備が充実しています。
太陽光発電
太陽エネルギーを活用するため太陽光パネルを設置。共用電力に利用することにより、エネルギーの自給自足を可能にし、系統電力の依存度を低減します。
蓄電池
太陽光発電で作った電力を蓄える蓄電池を設置。余剰電力を電力ピーク時に活用することで、電気代の節約につながるだけでなく、停電時の電気利用も可能になります。
まとめ
HARUMI FLAGには、エネルギーを効率よく使えるようなエネファーム、蓄電池、純水素型燃料電池などの設備が整っています。水素パイプラインを介して水素が供給されるシステムは、今後の脱炭素社会の街づくりのモデルとして注目を集めているほど。HARUMI FLAGには、エネルギーマネジメントにおける最先端の技術が詰まっています。
HARUMI FLAGで、持続可能な暮らしを実現してみませんか?
テキスト:ハルフラ編集部 撮影:ハルフラ編集部、鈴木文彦
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