「晴海フラッグで船通勤?」と興味を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
晴海フラッグでは、晴海BRTターミナルの隣にある「晴海五丁目船着場」から浜松町方面の「日の出船着場」を結ぶ船が運行しています。「BLUE FERRY(ブルーフェリー)」に乗船すれば、約30〜40分かかる移動時間を約5分に短縮可能です。
BLUE FERRYには水洗トイレが完備されており、飲食物の持ち込みもできるため、渋滞や混雑を避けながら快適な通勤が実現するでしょう。
本記事では、晴海フラッグで活用できる「船通勤」をご紹介します。船通勤について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
船通勤が今後のトレンド?
今後は、バス通勤、電車通勤に続いて「船通勤」がトレンドになるかもしれません。東京都では「満員電車ゼロ」に向けて取り組みを進めており、船通勤も対策のひとつです。
船は乗船人数が決まっているため、バスや電車では避けられない混雑がなく、余裕をもった通勤ができます。信号や乗り換えがなく着席できるため、抜群の快適性です。
また、海を眺め風にあたりながら通勤時間を過ごせるため、リフレッシュできます。通勤ラッシュや帰宅ラッシュにうんざりしている方には、有効な通勤手段でしょう。
船通勤を通勤手段にひとつに
東京都は、水辺のにぎわいを創出しようと2016年度からさまざまな取り組みを進めています。船通勤も取り組みのひとつで、運行を担う事業者に補助金を出したり、実証実験を行ったりしています。
東京都が補助金
東京都は、2023年4月14日〜5月31日にかけて、船通勤の運行を行う事業者を募集しました。補助率は対象経費の2分の1で、補助限度額は総運行時間により異なりますが、最大で1日あたり10万円です。
また、船舶新造費は1隻あたり1億円、改良費は2,500万円です。補助期間は2023年度〜2025年度までと定められています。
航路はいくつかありますが、晴海フラッグの最寄り「晴海~日の出」間は、株式会社東京湾クルージングと野村不動産株式会社に決まりました。2024年5月より運行を開始しています。
これまでの実証実験
東京都は、船通勤の導入にあたり、複数回の実証実験を重ねてきました。
直近では2022年10月〜11月にかけて行われており、6航路を14日間で2,848人が利用しました。乗船率は23%と高くはありませんが「渋滞や混雑がなく快適」「特別感がある」などの好意的な意見も寄せられています。
乗船者の約8割は会社員や公務員ですが、学生やパート・アルバイトの方も利用していました。また、着席保証やコーヒー販売などの関連サービスを提供するなど、快適な通勤ができるような工夫をこらしていました。
晴海フラッグの船通勤の航路は?
晴海フラッグで船通勤する場合の航路について、詳しくご紹介します。
運行するのはBLUE FERRY(ブルーフェリー)
晴海フラッグで船通勤する場合の航路は「晴海~日の出」間です。野村不動産と東京湾クルージングが実施する「BLUE FERRY(ブルーフェリー)」が運行しています。
通常、電車や徒歩などを利用して約30〜40分かかるところを、約5分に短縮可能です。
「エスエス3世」と呼ばれる船舶がメインで運行しており、予備船には「エスエスNANO2」が用意されています。旅客定員はどちらも44名です。
当日に予約なしでの利用もできますが、Web予約が優先されます。万が一、Web予約で満席の場合は乗船できないため、事前予約をするのがおすすめです。
運賃はどのくらい?
旅客運賃は以下のとおりです。
- 大人(12歳以上):500円
- 小人(6歳以上12歳以下):250円
- 幼児(1歳以上の未就学児):100円
- 乳児(1歳未満):無料
2024年12月までは事前予約割引があり、予約をして事前決済をすると半額で利用できます(2024年10月時点)。小人は100円、幼児は50円です。
Web予約の締め切りは、当⽇の出航3分前までで、直前でも事前予約ができるのはうれしいポイントです。ただし、当⽇精算はPayPayのみで、現金やクレジットカード、電子マネーなどでの支払いはできません。
乗り場はどこにあるの?
BLUE FERRYの乗り場は「晴海五丁目船着場」と「日の出船着場」にあります。晴海五丁目船着場は、晴海BRTターミナルの隣、日の出船着場は、JR浜松町駅から徒歩約10分に位置しています。
日の出船着場には、屋根付きの待合室があり、2025年3月には、浜松町駅への動線が拡張される予定です。また「Hi-NODE」という施設があり、それぞれ100席以上の座席数があるカフェやレストランが入っています。
どんなスケジュールで運行している?
運行スケジュールは、以下のとおりです(2024年10月時点)。
【晴海〜日の出】
晴海(発) | 日の出(着) |
8:30 | 8:37 |
9:00 | 9:07 |
9:30 | 9:37 |
10:00 | 10:07 |
【日の出〜晴海】
日の出(発) | 晴海(着) |
8:45 | 8:52 |
9:15 | 9:22 |
9:45 | 9:52 |
10:15 | 10:22 |
船は定時に出航するため、出航時間の5分前までには各船着場に到着しておく必要があります。
誰もが利用できるための工夫
BLUE FERRYは、快適に船通勤ができるように設備を整えています。
水洗トイレが完備されており、飲食物の持ち込みも可能です。船内にはテーブルや椅子だけでなく電源プラグがあるため、作業にも困らないでしょう。
一度降りる必要はあるものの、車いすでの乗船やベビーカーの持ち込みも可能です。また、ゲージに入れて、ほかの乗客に配慮する形であれば、ペットの乗船もできます。
通勤にはもちろん、浜松町方面への移動にも使えるため、会社員以外の方にも活用できる交通手段です。
開放的な気分でスマートに通勤
船通勤の実証実験のアンケートでは、以下のような意見がありました。
- 景色が良い
- 気分転換ができる
- 非日常感を味わえる
混雑を避けて通勤できるだけでなく、非日常感あふれる環境で、いつもとは違う気分で出勤できる点を評価している人もいます。
BLUE FERRYでの通勤の場合、甲板の上で景色を見ながらリフレッシュするほか、船内で飲食をしたり作業をしたりと時間の有効活用もできます。
また、Hi-NODEでは、芝⽣広場を活⽤したヨガイベントなどが行われている日もあり、朝から体を動かすチャンスにもなるでしょう。
渋滞や混雑を避けて、船通勤ならではの開放感を味わいながらスマートに通勤できます。
都内のその他の船通勤事情は…
※写真はイメージです
都内では、晴海〜日の出間以外に豊洲〜日本橋間でも「TRY!舟旅通勤」という船通勤が導入されています。運行の事業者は、観光汽船興業株式会社と三井不動産株式会社です。
豊洲~日本橋間
豊洲〜日本橋間の所要時間は約20分です。電車を利用しても約20分ですが、東京メトロ銀座線から有楽町線への乗り換えが発生するため、手間を考えれば、船のほうが楽な方もいらっしゃるでしょう。
「アーバンランチ」「リムジンボート」の2種類の船舶が運行しており、アーバンランチであれば、自転車の搭載も可能です。また、アーバンランチはバリアフリー仕様で乗下船時には昇降機・タラップがあるため、車椅子の方も利用できます。
旅客運賃は以下のとおりです。
- 大人(中学生以上):500円
- 小人(小学生):250円
- 自転車:200円
乗船チケットは、Web予約と当日販売のどちらも用意されています。Web予約が優先されるため、確実に乗るには事前に予約するのがおすすめです。
また、晴海〜日の出間とは設備が異なる点もあるため、詳細は事前にご確認ください。
運行スケジュール
豊洲〜日本橋間の運行スケジュールは以下のとおりです(2024年10月時点)。出港時間の5分前までには、各船着場で待機する必要があります。
【早朝便】※次回2024年11月1日予定
豊洲(発) | 日本橋(発) |
7:00 | 7:30 |
8:00 | 8:30 |
9:00 | 8:30 |
【夕方・夜便】
豊洲(発) | 日本橋(発) |
16:00 | 16:30 |
17:00 | 17:30 |
18:00 | 18:30 |
19:00 | 19:30 |
20:00 | 20:30 |
豊洲〜日本橋間には夜便があるため、帰宅時に利用できる点がメリットです。夕陽や夜景など、出勤時とは違う景色を楽しみながら家路につけます。
船通勤で快適な時間を過ごそう
船通勤は今後の通勤手段のひとつとして注目されています。
晴海フラッグで船通勤をする場合、晴海〜日の出間の航路が使えて、所要時間は約5分です。船には水洗トイレが完備されており、飲食物の持ち込みもできるため、開放感を味わいながら快適な通勤時間を過ごせるでしょう。
実証実験のアンケートでは、混雑が避けられるだけでなく、景色や非日常感を楽しめる点に好意的な意見が寄せられていました。東京都は船通勤を担う事業者に補助金を出しており、豊洲〜日本橋間でも導入するなど、積極的な取り組みが進んでいます。
晴海〜日の出間の船通勤についても、運行時間の拡大や船内設備の充実など、快適性の向上に期待できるでしょう。
テキスト:ハルフラ編集部
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